土と暮らす vol.2 リゾラファーム
2026.04.25
副会長、農園長、天城流整体師と
幅広くご活躍されている満田さんです。

2025.8.21
L’isola Farm Amakusa リゾラファーム天草
満田清治さん
熊本県上天草市、複合型観光施設「L’isola Terrace Amakusa(リゾラテラス天草)」。お土産売り場をはじめ、テラスから海や橋を眺められるカフェやレストラン、焼きたての香りに誘われる「塩パン」が有名な観光スポット。2020年より、自社農園のリゾラファーム天草が始動し、レストランの食材として季節毎に野菜や果物、ハーブ等を栽培している。安心・安全なものを、自然のままに育てる無農薬栽培。また、ブルーベリーとキウイの観光農園を目指して、まずは天草の地に合うものを探すため、開業から多くの品種を栽培している。
ブルーベリーは、ハウス栽培(地植え)と養液栽培(鉢)。養液栽培とは土を使わず肥料を水に溶かした液(培養液)を用いて作物を栽培する方法。人工培地や点滴灌水設備等、ブルーベリーにとって最適な栽培環境をつくってあげることで、地植えの木より収穫時期を早めたり、虫の発生も抑えられる等、無農薬栽培には適しているのだ。
様々な品種が並んでいて、木の育ち方、実のなり方もさまざま。今年収穫したものでは、500円硬貨ほど大きく実ったものもあったという。採れたての味はどれも格別。みずみずしくて果汁も感じられる。一番大きかった実は、まさにブドウのような甘味で驚いた。

屋根がビニールでなくネットで覆われており、ハウス内も風通しがよく空気が心地良く感じた。すると、「今年は天井ビニールはいらない。」という木からのメッセージを受け取ったという。ブルーベリーの水やりは実がなってから。雨が多いと木が弱って、梅雨明けの日照りで枯れてしまうため、昨年までは天井ビニールを取り付けていた。ところがメッセージ通り、今年の梅雨は短かった。少しずつ求めているものがわかるようになってきたという満田さん。ブルーベリーとの信頼関係が築かれてきているように感じた。
雑草の管理について尋ねると、草丈が高くなりすぎたりしたら手作業で刈るくらいで、基本はそのまま。「いろんな種類の雑草がいろんな場所に生えているでしょ。草丈が高かったり低かったりで風通しをよくしたり。生え方にも意味があるんです。」昨年と今年とでは違う草が生えてくることも。土の中には何年も眠っている種がいるのだ。

「こっちのハウスは草の生え方がすごいですよ。」と、フィンガーライムの木が育つハウスへ。木の周りを囲むように、背が高く茎も太い草(マメ科)が生えていた。この辺りには育てていなかったのに突然生えてきたという。「きっと風を受けたくないんですね。」フィンガーライムの実は風が吹くとすぐ落ちてしまうほど繊細。フィンガーライムの意志なのか、草が風から守ろうとしているのか。植物同士が一緒に育つ環境を作る、まさに「共生」の姿を見たようだった。

ブルーベリーの養液栽培の鉢がたくさん並ぶ隣には、キウイの木が育っていた。アップルキウイとゴールドキウイの2種類。11月頃の収穫だという。

ラズベリーは、1株から3年でここまで増殖し、今年は豊作。地下茎から新しい芽が出て増えていくそうだが、近くの他の作物に影響しないように除草シートはしっかりと。ラズベリーには身を守るためのトゲがあるため防鳥ネットなしでもカラスが来なかったりと強くて育てやすいが、増殖のしすぎには注意とのこと。

他にもズッキーニやバジル、イチゴ、シークァーサー、レモン(レモネード)、スモモ(ハニービート)、ぶどう。各ハウスの入口には、生い茂る様々な種類のハーブの姿が。無農薬のハーブは貴重とされており、レストランの料理にも活躍しているという。ステビア、聞いたことはあったが実物を見るのは初めて、小さな葉っぱをひとかじりしただけなのに、口の中に生まれてくる甘味に驚いた。

ズッキーニ

バジル

レモン

様々なハーブ
露地には落花生、さつまいも畑。富士山・東京発の世界平和プロジェクト「お米の一鉢運動」の稲の鉢も。

落花生

さつまいも

お米の一鉢運動
満田さんはご両親・弟さんの4人家族。営業マンとして社会人生活を送っていたが、ご家族の営むカスミソウ栽培を手伝うために、上天草へ戻る。その後、物産館「藍のあまくさ村」内のちくわ工場に転職するが、農業を学ぶために仕事を辞めたいと当時の会社の会長に自分の思いを伝えた。後日、会長から呼ばれると、会社で観光農園事業を始めること、一緒に視察に来てほしいとのことだった。満田さんは会長といろんな農作物を検討し、九州や四国を巡り、たどり着いたのがブルーベリーとキウイだった。満田さんは、その後も栽培について勉強を続け、養液栽培を学びに名古屋まで行くこともあった。そうして、満田さんを中心にリゾラファームがスタートする。
オーガニックにこだわる理由を尋ねると、ご自身の体質・健康面にみるみる変化があったことがきっかけだったという。
幼い頃は、お肉・卵・お米しか食べなかったこともあって、保育園や学校も体調を崩して休みがちだった。お盆やお正月、人が集まるときに並ぶ新鮮なお刺身やお寿司。その生魚の匂いだけでも具合が悪くなっていた。
症状としては鼻炎・蕁麻疹・喘息と、病院へ行ってこれならと処方された漢方薬も効かず、アレルギー検査をしても判明しない、原因不明の体調不良。
大人になってからも症状がひどく辛い経験をしていた。
ある時、会社の上司にお寿司を食べに連れて行ってもらって、初めてのお寿司にトライ。すると、その美味しさに感激。それをきっかけに少しずつお魚が口にできるように。酸味がある刺激の強い味(ポン酢等)も苦手で、梅干しは2年半かけて、やっと一粒食べられるように。飲み水はイオン水に変更。そういった満田さんの努力が報われて、食生活が変わってくると自然と症状が出なくなっていったという。食の大切さを身をもって経験されたからこそ、安心して食べられる食材を届けたい・喜んでもらいたいという思いを貫いて農園を守ってこられたのだと感じた。
農園のこだわりは、お水と「ねじねじ」。水の中のマイナスイオンを増やしたり、化学物質を除去する「テスラウォーター」を使って水やり。稲わらで作った「ねじねじ」を畑に埋めたり、水やり用の桶に入れることで、土壌の質が良くなったり、水を通して植物にも良いエネルギーが伝わっていくといくもの。(ねじねじの水に変えたことで、うどん粉病がなくなった、という実体験も。)自然エネルギーを発しているねじねじが、きっとこれからもリゾラファームを大地から支えてくれるのだろう。

ねじねじ
あとがき
藍の村観光株式会社の一スタッフだった満田さんが、「一人一人の夢の実現を持って豊かな地域づくりに常に全力を尽くす」という会社の行動指針のとおり、会長から農園長を任され、自分のやりたかった農業の道へ。人と人との繋がり、絆から生まれたストーリーはまだ始まったばかり。ありのままの豊かな自然のなかで大切に育てられ、安心して食べられるブルーベリーやキウイ。新たな観光スポットとして、「リゾラファーム観光農園オープン」お知らせの日が、一上天草市民としても楽しみなのでした。
(荒川宏美)
